九寨溝へ向かう途中に通った川主寺を過ぎると、
車は標高5,588メートルの雪宝頂を右手に眺めながら峠をドンドン上がっていきます。

そして車で通る峠の一番標高の高い場所、4,007メートル地点に到着！

この時６月下旬だというのに霙混じりの雨が降っていて超寒っ！
「良かったダウンを持ってきておいて。」と実感した時でした。
いやー、イエローストーンで学習したもんね。
山の天気は侮れないって。

ここでの記念撮影ですが、注意が必要。
勝手に撮影してしまうとチベット族の方の怒りを買うらしいのです。
この記念碑（？）の近くに陣取っているチベットの方に必ずお断りをして
了解をいただいてから撮影に臨みましょう。

通常はいくばくかの金銭授受も発生するらしい・・・です。
（チベットでは全て『金』で物事は動く・・・らしい）
この時は無料で良いとおっしゃってくださったらしく、お支払いはなしにてパチッ。

天気が良ければこの向こうに雪宝頂が見えているハズなんですが。
ま、山の天気の凄さを物語る絵ということで、良しとしましょうか。

記念撮影の後、道を挟んだ向かいの山を少し登ってお花を探してみました。

源さんが青いケシもあるはず、とズンズン登っていくのを、
私達は4,000メートル級の場所だということで、おっかなびっくりついていきます。
だって、さすがに高山病が心配じゃない？

そして、源さんが青いケシを見つけてくれました。
向かいの4,007メートル地点から数メートルは登ってきているから
本日私達は4,010メートル位には到達したってことだね。すごい！

私達がパチパチとお花の写真なんぞ撮っていると記念碑のところにいた
チベットのおばさんとお嬢ちゃんがついてきて私達のすることを眺めています。

せっかくなので一緒にお写真に収まっていただくよう源さんに交渉してもらってパチ。

昔の日本同様写真を撮ると魂を吸い取られるって信じているとかで
本来写真ってＮＧらしいのですが、
さすがにこれだけ観光地として有名になってしまっているので、
もうすでに慣れていらっしゃるご様子。
にこやかにご一緒して下さいました。
（ここではお礼を少しお渡ししました。モデル料？笑）

事前に源さんからいろいろと注意事項を伺っていたので少し構えていたのですが
おばさん、意外にもとってもフレンドリー。
デジカメで撮った写真なんかをお見せして、しばしのコミュニケーションタイム、です。
　

さて、さて。
黄龍も九寨溝と同様一般車両の進入はできないので入り口付近のホテルに車を停めて（お昼はそこでいただきました。）
そこからは歩いての移動になります。

それにしても、たくさんの観光客。
日本からもたくさんいらっしゃってますねー。それも山登りスタイルのバッチリ決まった 熟年のみなさま方。
およよー。やっぱ山のカッコで来ないといけない所なんだよー。
私達みたいにチャライカッコの人なんていないねー。
と思っていたら、現地のみなさんはワリと軽装ね。良かった。

黄龍の入り口。
標高3,100メートル地点です。

岷山山脈の主峰である雪宝頂の南麓に石灰華でできた段々畑のような池がたくさん連なっている様子が龍のように見えるということで黄龍の名前がついているそうです。

右の地図を見ると龍が天に向かって昇っていっている感じがしますよね。

さあ、ここからはひたすら歩いて
3,850メートル地点にある 五彩池を目指します。

九寨溝のトレイルと同様、
ここも山道を登っていくというよりは
木製のトレイルをお散歩気分で歩いていくことが出来ます。

所々に右のような道しるべも配置されていて
　今自分が入り口からどれ位の地点
　　＝ 最終目的地の五彩池まで何メートル
ということがわかるようになっています。

そして、最初に私達を迎えてくれるのが迎賓池。

イエローストーンのマンモスホットスプリングスで見た
テラスを彷彿とさせる風景の始まりです。
　　　

雨は止んでいるけれど
空は雲で覆われていてちょっと残念。

お天気が良ければもっと水面が
輝いて見えるのかしら？

それぞれのスポットには
このような看板が。

中国語、英語に加えて
日本語でも書かれています。
たくさんの日本人観光客が
訪れていることが伺えますね。

トレイルを歩く私達。
数歩歩いてはお花を見つけて撮影。
スポットにさしかかっては撮影。
と、なかなか先に進みません。苦笑

道中撮影した山の植物たちのご紹介パート１

　ここのトレイルは一方通行になっています。
　登り専用と下山専用の２本のトレイルが見所を挟んで両側にあるのです。

　途中で苦しくなってギブアップした時にはところどころにある
　交差ポイントから下山道の方へ向かいます。
　勝手に下ってはいけないんですね。
　それだけたくさんの人が歩いているってことですね。

　私達はギブアップしないで五彩池目指すぞー！

　このポールに書かれているようにお手洗いも所々に配置されています。

次に見えてくるのは洗身洞。

右の写真、
真ん中に穴が見えますよね。

ここは子宝を授かるという
御利益があるとか。

トレイルの途中にはこんな休憩場所もあります。

無理をせず疲れたなーと思ったらこういうところで休憩しつつ登っていきましょう。

気温は多分低いんだけれど、ずっと登ってますから汗ばんできますし、
空気の薄い山でこんな場所は貴重ですね。

おにぎり持ってきてお茶と一緒に食べたい感じ。
(o^∇^o)ﾉ

そして、山の植物パート２

そして。
おお！なんとなくそれっぽくなってきたよ。

ほら！青空もかすかに見えてきた！
お天道様も私達に味方してくれているのかしら？
九寨溝の時といい、良いタイミングでお日様が仲間入りしてくれるのよね。
うふ
(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ

明鏡倒映池では青空が水面に映ってます。→
わかるかしら？

そこからほどなくして争艶彩池。↓

段々池の水色も良い感じねー。
これよ、これこれ。
黄龍にやってきたって感じするじゃないの。

山の緑もお日様の光を浴びて鮮やかさを増していてきれいでしょう。
うーん、やっぱりお日様の威力はサスガであーる。

美しい水色と緑色の競演の中に
わたくしめの左手さんと
ここまで頑張って歩いてきた
右足さんを参加させてみました。
あはは

や、やっぱ、写真も
面白じゃなくっちゃね。
ってことで。

この地点でだいたい半分くらいになるのかな？

上を見上げると中寺も
すぐそこに見えてきました。

途中に咲いていた白いお花。
源さんに何かわかりますか？
と聞かれて
「えーっと、なんだっけ？
　クチナシだったっけ？」
ととんちんかんな答えをしたら
『シャクナゲですよ。くくっ」
と苦笑いさせてしまいました。

源さんってホント物知りさんです。

そして、中寺に到着。
ここまで来れば五彩池も近い！

外廊には如来様と
四天王が描かれています。

ま、お約束。
一つずつお写真に
収めさせていただきました。

どれがどれって・・・。
聞かないで。
苦笑

ここのお寺の中に入る時、源さんが言いました。
「どっちの足から入ったか覚えていて下さいね。」

えー？何？何？
どんな意味があるのー？

はい。説明しよう！

中にはいると左右に９体ずつお坊さんの像が。
それぞれ、個性的で、静かに座禅を組んでいたり、
怒っていたり、大笑いしていたり、アクビをしていたり・・・。

で、源さんが言うことには・・・
入ってくる時に右足で入ってきていたなら
右のお坊さんからずっと自分の年の数だけ順に数えていって
自分の年のところにあるお坊さんがその年の自分の状態を表しているそうな。

左足で入ってきていれば、それを左からやる、と。

へー。面白い！

私は・・・えーっと、１，２，３，４，５，・・・
ちょっと４０数えるのも大変よー。

結果は・・・８月にお誕生日を控えているから41のとこだと・・・
おや？お腹が割れて内臓が見えている？
あれま、体調を崩すのかしら、私？

そのお坊さんの示すところを教えてもらおうと「源さん、私はこれ。」と指し示すと
「わあ、これは一番良いです。自分の中に仏を宿すということです。」とのこと。

あ。
ホントだ。内臓じゃなかった。 仏様なんだ。
すっごーい。やった！
私も少しは成長したってことかねー。あはは

いとこ殿はといえば・・・
大あくびのお坊さん。

今回の九寨溝、黄龍の道中、車の中でウトウト眠り姫になっていたいとこ殿。
みんなで「わー！当たってるー！笑」と大ウケでした。

この辺りで見ることに出来る鳥たちを紹介した看板もありました。
残念ながら、今回お花ばかりに気を取られていて鳥には気付かなかったわ。

右上に見えているのは・・・山猫？かしら？
ヒョウ柄の猫ちゃん、会いたかったわー。

さあ、ここから五彩池まではあと700メートル。

もう一つ上を見たところにある黄龍寺の向こうが五彩池です。
入り口から4.2キロに渡る登り道もあと少し。

どんどん標高が上がっていって体もきつくなってくるけれど
運動不足の体、さらには九寨溝で歩きすぎてアチコチ痛む体に鞭打って
歩け！歩け！

そして・・・。
やったー！到着だー。
黄龍寺です！

さて、ここ黄龍寺。
真ん中に名前が書かれているのですが、これ、左右違った角度から見ると
違う文字が見えるようになっています。
下の写真は正面、左右と３方から撮ってみました。
わかりますか？

このお寺の向こうに五彩池の美しい姿が！
いざ！いざ！

　
五彩池のすぐ横からその美しさを堪能できるデッキは大人気の撮影スポット。
一瞬のタイミングを見計らって この場所を確保！

私達の前にカップルがこんな感じで２ショットを撮っていたので私達も真似してみました。
あはは

　
それにしても、本当に美しい世界ですよねー。
九寨溝とはまた違った美しさです。
水色がキレイ！

　
五彩池をグルッと取り囲むように木製のデッキがあって
その場所、その場所で違った趣があります。
こんな風に黄色がかったところもあるんですね。
　

そして、上の方にある展望スポットから
太陽が顔を出した僅かな時間を逃さずに撮影。

日の光があたるとまた違った輝きが。

いやー、それにしても、
五彩池をきれいにフレームに収めるのは難しいわ。

人の数が凄すぎる。

興ざめな観光客の姿やパラソルを映しこまないように
と思っても、どうしても入っちゃうのよね。

以前ＮＨＫでやっていた世界遺産の番組で黄龍の回があったんだけど
あれはほんとうに手間暇かけてプロのお仕事だったわー。
黄龍そのものをうまーく切り取っていたもの。

ま、天下のＮＨＫだもんね、当然か。

私が撮った中でまだマシかなーって感じの数枚は
こんなところです。

山の植物たち　パート４

私がパチパチ撮っていると、日本人の奥様が同じようにパチパチ。
いやー、撮りたくなりますよね。

　　

下山途中に雨が。
まるで私達が五彩池を楽しむのを待っていてくれたように。

陽が射すと汗ばむ位。
雨が降って曇ってしまうと寒い。
クルクルと変わる黄龍のお天気にダウンを着たり脱いだり大忙し。

あまりの変化におばさんの体はついていけず
下山途中には頭痛が・・・。

これが高山病ってことなのかしら？
ま、でも、この程度で済めば無問題（もーまんたい）よね。

下山して暖かいお茶を飲んで車の中でウトウトしていたら
スッキリしちゃったんですもの。

最後にここで働く人のご紹介を。

黄龍を登っていると時々大きな木材を担いだ人とすれ違います。
とっても重そうな６，７メートルはあろうかと思われる木材を何本も担いで登っているんです。
後ろに支え棒があって、それを使って休憩している彼らを追い抜いていくことが度々。

とっても大変そう。
ふうふうといいながらゆっくりゆっくり登っていくのは男性だけではなく、女性もいらっしゃいます。
凄いなー。
私達なんて体のみで登るのだって大変なのにね。

源さんが教えてくれたのですがこの方々は１日に１回登るだけだそうです。
そりゃそうよね。２往復は無理だわ。

で、その報酬は、確か数百円。２，３百円って言ってたような気がする。
１元＝約15円 で２０元とか何とかって言ってたと思うのよ。
＼（゜ｏ゜；）／ウヒャー
日本では考えられない単位のお金ですね。
それでやっていけるってことなのねー。

そして、私達は黄龍を後にして成都へ向かいます。

帰りは雨が止んでいたから4,007メートルの峠で
雪宝頂を臨めたはずなのに
下山途中からの頭痛のため私もウトウト寝てしまっていて
ハッと気がついた時にはすでに峠を過ぎていてガックシ。

来る時にも通ってきた岷川沿いの山道。
今夜の宿、茂県を目指す車は
ビュンビュンとばしてましたねー。

トイレ休憩で来る時にも立ち寄った場所。
（向かいに見えている湖 →）
ここではヤクも綺麗に衣装をつけられて何匹も覧ることが出来ます。

この湖は地震で岷川が堰き止められてできたそうで
谷間の村はそのため水没してしまったそうです。

自然って凄いね。

茂県の ホテルは九寨溝に行く時にお昼を食べたところ。
夕食はまたこちらで。

今日はこのままここに宿泊、ということはドライバーのパさんも飲めるってことよね。
ってことで、４人で食卓を囲んだのでした。

お酒の勢いも手伝ってか、源さんプライベート話でとばします。
別れた奥さん（初恋の人）のお話とか、その初恋の人が実はいとこ殿と似ているだとか。
『純情源さん、赤裸々に語る』な夜となったのでした。

パさんは日本語が話せませんが、源さんが通訳してくれて話の話になんとか入ってくれました。
それに、いける口のようで、グイグイ飲んで楽しんでくれたみたい。
あはは

さ、明日はパンダだー。