10/03/2003
久しぶりにみんなで歩いてみたくなりました。
ソーダシャーベットのような淡い水色の空が広がる月曜の午後。
先週末に行われた運動会の代休で、
小学校に通う長女と次女も今日は家にいます。
「なあ、ちょっと散歩に行かへん？」
誘ってみたら、ちょっと不思議そうな顔をしながらも、
「いいよ」とクローゼットから帽子を取り出してきました。
末っ子はもちろん異議ナシ。
私、長女、次女、三女。
他には、誰も歩いていないのをいいことに、
４人で手をつなぎ、ずらずら連なって歩きます。
私と長女の間にぶらさがって、きゃあきゃあはしゃいでいる三女。
道の端に生えていたねこじゃらしをとってきて、くすぐろうとする次女。
昼下がりの静かな住宅街に突如出現したにぎやかな団体に、
しっぽだけ茶色の猫が、んっ？といぶかしげにこちらを伺っています。
「葉っぱって、木の上のほうから赤くなっていくねんな・・」
長女の言葉に、みんなで上を見上げると、
そういえば、道沿いに連なる街路樹は、上のほうが少し赤く色づいています。
空から秋がふってきた・・。
そんな感じです。
「アメリカフウ」と名札がついたその木は、どうやらカエデの仲間のよう。
ここに住みはじめて６年。そんな名前だったなんて、初めて知りました。
スーパーの横を抜けて、中学校沿いの遊歩道、通称「あかみち」に入ると、
今度は色んな種類の木が植わっています。
ケヤキ、エゴノキ、ソロノキ、ヒメユズリハ、ヤマモモ・・。
今まで気にもしなかった木のひとつひとつに、
それぞれ名前があって、
みんな、少しずつ違っています。
分厚くて濃い緑の葉っぱ。
小さくて、さらさらした葉っぱ。
ごつごつと節ばった幹に、今にも折れそうな細い枝。
小さな実をつけている木も。
「ア、ゴングリ」
三女が見つけてきたのは、かわいい帽子をかぶったどんぐり。
空には、西から東へプカプカと流れていく綿雲。
「あれは、トトロみたい」
「あっちのは飛行機」
「オカサナ ノ ホネ！」
いつもの町も、いつもの空も、
今日はちょっとちがって見えます。
ゆっくり歩く。
たったそれだけのこと。