01/08/2004
冬休みも今日で終わりという日の、穏やかに晴れたお昼前、
子供たちと一緒に出かけました。
ひとつ向こうの町まで、買い物がてらぶらぶらと。
「今年の冬休みはあっという間やったなあ」
「あーん、明日の朝起きられへん」などと、
他愛のない話をしながら、女四人がわいわい歩いていると、
どこからともなく甘い匂いが漂ってきました。
いち早く長女が鼻をクンクン。
「ん？何かええ匂いがするで」
「ほんまや！」
「ナニ？ナニ？」
誰に似たのか、食いしん坊三人娘の目の色が変わりました。
どうやらそれは、その先のスーパーの辺りから漂ってきているようです。
赤、青、白のフランスの国旗を彩ったのぼりも立っています。
「焼きたてのパンやって！」
走って見に行ってきた次女が息を切らしながら報告。
「イコ！イコ！」
三女の言葉にもちろん全員一致！異議なし！
みんなでよーいドン！です。
それは、駐車場の一角で焼かれていたメロンパンでした。
白いコック服に黒いエプロン姿の若いお兄さんが私たちを見つけて、
「いらっしゃい、いかがですか？」と声をかけてきます。
見ると、普通のパン屋さんの倍もありそうな、
大きなメロンパンがずらり。
オーブンを載せた白いバンの後ろに、季節はずれのひまわりが咲いたようです。
ホカホカ湯気をたてていて、見るからにおいしそう。
「じゃあ、４つ下さい」
「はい、どうぞ。たった今焼けたとこですよ」
ほんとうです。
手渡しでもらったパンはアツアツ。
甘く香ばしい香りは、パリパリのクッキー生地から。
薄くふりかけたグラニュー糖の粒が、冬の陽をうけてきらきら光っています。
「いただきまーす」
横の植え込みの端に座ってさっそく試食。
お行儀が悪いのはこの際無視。豪快にかぶりつきました。
クッキーの生地はしっかり厚め。
これでもかというくらいたっぷりとかぶさっています。
一口かじるごとにサクッサクッと小気味よい音。
うん、いい感じ。歯ごたえがあります。たまりません。
中身のパンはふわふわで、ほんのり甘くきめ細やかです。
おいしい、おいしいとうなずきながら、瞬く間にたいらげてしまいました。
売っているのはメロンパンだけ。メロンパンの屋台です。
スーパーやショッピングセンター、ドラッグストアなど、
いろんなところで場所を借りて売っているのだとか。
悪くありません。楽しいアイディアです。
「マタ クルネ」
すっかり大きくなったお腹をさすりながら、三女がお兄さんに手をふりました。
「メロンパンにめろめろ〜」
お調子者の長女がおどけながらの帰り道、
おいしい発見にちょっと得した気分でした。
これからしばらく通ってしまいそうです。
そのお店はボンジュール神戸といいます。
あなたの街でもそのうち見かけるかもしれません。