12/30/2003
−ルミナリエ−
ご存知の方も多いでしょう。
それは阪神大震災の犠牲者の鎮魂と、
神戸の再生への希望を託した
“光”のイベントです。
旧居留地界隈から三宮の東遊園地まで、
神戸の街はその期間中、厳かな光でうめつくされます。
今年で9回目。
今年のテーマは「光のオリゾ地平ンテ線」。
希望の光が果てしなく続きますように・・。
震災１０年の節目にこめられた、私たちの思いです。
クリスマス前の休日、家族そろって出かけてきました。
風邪気味で、洟をたらした子供たちと、
人ごみが大の苦手の夫。
「さあ、いくよー！」と、一人張り切るオカアサンに最初はしぶい顔でしたが、
会場に着いた途端、そんな思いはどこかへ飛んでってしまったようでした。
「わあ・・」
「すごい・・」
言葉になりません。
全長約２７０ｍの光の回廊です。
合計２１基の光のアーチが、はるか向こうまで連なって見えます。
その先は、スパッリエーラ。
直径４２ｍ、高さ２２ｍの光の壁掛けに囲まれた広場、光の宮殿です。
赤、緑、青、白の小さな小さな電球が何万個も飾られ、
きらきら小さくまたたいています。
全身を包み込むような、この不思議な温かさは何なのでしょう。
身を切るような１２月の寒さも、一瞬忘れてしまいました。
天の川を歩いたら、こんな感じなのでしょうか。
銀河の渦の中に、今、私たちは浮かんでいるようです。
上を向いて歩こう
涙がこぼれないように
あの歌のように、
ルミナリエを訪れる人々の顔は、みな空に向けられます。
下を向かないで。顔をあげようよ。
そんな思いがこめられていると、いつか聞いたことがあります。
幸せは 雲の上に
幸せは 空の上に
腕を組んで歩くカップルも、肩車されてる赤ちゃんも、
幸せそうな顔、顔、顔・・。
人の波が、そのまま笑顔の波です。
一本のろうそくの灯りがどれだけ有難かったか、
あの震災で私たちは身に染みました。
光に癒されたあの時の記憶を絶やさないよう、
そして、少しでも多くの人に感じてもらえますように。
そんな願いをこめながら、私たちはゆっくり歩きました。
祈りの光は、クリスマスまで灯され続けます。