11/21/2003
そのお店は「ひまわりショップ」といいます。
私の住む丘の上から、
車で５分ほど下りたところ。
昔ながらの田んぼと畑に囲まれた、
プレハブ建ての小さなお店。
開いているのは、地元の農家の奥さん、
総勢十九人。
明るく気さくなオバチャンたちばかりです。
開店は朝十時。
売り切れごめん、早い者勝ち。
お目当ての野菜を手に入れようと、
開店前から行列ができることもしばしばです。
ここの野菜はとにかく、活きがよいのです。
採れたてのピチピチ。
まだ朝露のついた、新鮮なものばかり。
お日様の光をいっぱい浴びて育った
元気のよい野菜たちが
ところ狭しと並びます。
もちろん無農薬。
春のおすすめはアスパラブロッコリー。
細長くて、ちょっと気どった貴婦人のようなブロッコリー。
濃い緑が美しいその野菜は、茎まで柔らかくおいしいのです。
うちの子供たちも大好きで、
塩茹でしておくと、あっという間になくなってしまいます。
夏はミニサイズのかわいいかぼちゃ。
その名も坊ちゃんなんきん。
まるごとラップでくるんで、電子レンジで七、八分チン。
ホクホクです。バターを少し落とせば、スイートポテトも顔負け。
夏の太陽のような濃い黄色の、甘い甘いかぼちゃです。
秋のサツマイモや、梨、新米に続いて、
これからの季節は大根や青菜類が並び始めます。
ほうれん草に小松菜、菊菜、しろ菜・・・。
金光菜なんていう、珍しい名前のもあります。
それぞれのかごには、
「白あえでどうぞ」とか「油揚げと煮くとおいしいです」など、
オバチャンたち手書きの、献立のヒントが添えられています。
どれもみずみずしく、葉がピンとしています。
1把の量もたっぷり。
スーパーの倍はありそうです。
これだけ入って、ほとんどがどれも１００円。
今日は何にしようかな？
「このおいもは？」
「それはえびいもといって、ずいきの根っこや。
ねっとりしてて、おいしいでェ」
おばさんにすすめられたとおり、
里芋の親分のようなそのおいもをかごに入れました。
細ねぎとほうれん草、葉つきの大根に、カリフラワーも買って、
しめて６００円也。
「ここのお野菜は、ホンマおいしいネエ」
「そうやろ？」
返ってきたのは、自信たっぷりのオバチャンの笑顔。
明るく大らかな笑顔。
ひまわりのような笑顔。
なるほど、
このお店の名前の由来が、分かったような気がしました。